平昌オリンピック、それほど強い興味を持って見始めたわけでもなかったのだけれども、終わってみたら、とても心に残るシーンに数多く出会うことができました。
今日はその中でも、特に印象に残ったシーン、
小平奈緒選手がスピードスケート500mでオリンピックレコードの滑りを見せたあとの、会場を静めた場面を書き留めておきたいと思います。
語り継がれてほしい一つのエピソード
小平奈緒選手は、平昌オリンピックのスピードスケート女子500mで、素晴らしい滑りをしました。
会心の滑り、そしてオリンピック記録更新。
ゴールした瞬間、小平選手は両手を広げ、グッと拳を握りしめて喜びを表しました。
すぐに、会場は歓喜の声が上がりました。
小平選手の滑りに金メダルを確信した観客が、大きな声を上げ、そして互いに抱き合って喜びを表現しています。
その時。
小平選手は自身の人差し指をそっと口元に当て、「静かに」と言ったのです。
その姿に会場は静まりました。
まだ競技は終わっていない。
次にスタートする選手が競技に集中できるように…。
このシーンは、1964年の東京オリンピックでのヘーシンク選手のエピソードを思い出させてくれます。
ヘーシンク選手は、1964年の東京オリンピックの柔道競技に出場し、見事に金メダルを取りました。
勝利が決まった瞬間、歓喜に沸くオランダのコーチがヘーシンク選手に駆けよろうとしたところ、ヘーシンク選手はこれを制したのです。
まだ礼が終わっていない。
礼が終わるまでが柔道だ。
後世に語り継がれることとなった、ヘーシンク選手のエピソード。
小平奈緒選手のエピソードも、これに匹敵するものだと感じました。
競技へのリスペクト。
同じ競技に挑戦するアスリートへのリスペクト。
そして、自身の才能を爆発させて最高の結果を手にしてもなお、冷静さを失わないそのメンタリティ。
素晴らしいことだと思います。
オリンピックは、私たちの世界が、過去から長きにわたって引き継いできた世界の祭典です。
今回のオリンピックに触れることで、私は、ずっとずっと語り継がれる、そんなエピソードに出会うことができました。
Unlock the Potential.