「EAT&RUN」byスコット・ジュレク ウルトラマラソンの世界は凄いですね〜読書記録〜
100キロメートルとか、100マイルとか、とんでもない距離を走ってしまうウルトラマラソンの世界。
自分では味わうことのないであろう、このウルトラマラソンの世界をリアルに感じられる1冊に出会いました。
描写される著者のレース中の心理状態などは、これまで部活とか、試験とかで追い込まれながらも必死でくらいついたことのある人にはとても共感できるものではないでしょうか。
強さと弱さの葛藤の先にゴールがある、そんな読んでいて熱くなる1冊を今日は紹介します。
「EAT&RUN」byスコット・ジュレク ウルトラマラソンの世界は凄いですね。
著者のスコット・ジュレクさんは、ウルトラマラソンの世界ではとっても有名な方なんですね。
優勝も何度もされていて、ヴィーガン(完全菜食主義者)で、自然との一体感を大切にされている方だそうです。
この本に出会うまで、私はこの方を知りませんでした。
本のおかげでまた私の世界が広がりました。
本はいいな、やっぱり。
シンプルで幸せで
この本は著者の半生が語られています。
意思の強い両親の元に生まれるも、やがて母親が「多発性硬化症」という難病を発症し、そこから苦労の日々が続くこと。
「走る距離が長ければ長いほど、自分は優位になれる」ということに気が付いて、そこからウルトラマラソンの道へと進んでいくこと。
多くのレースが登場し、それぞれのレース中で葛藤する心と身体が描かれていること。
やがて優勝という栄光を何度もつかみ、それでも挑戦しつづけていること。
惹き込まれて、一気に読んでしまいました。
私が印象に残った文章を2つ引用しておきます。
過去があるから今がある。だから将来の計画をどうしても立ててしまう。自分の手の上に母さんの温かい、力強い手を感じるときもある。スピードを落とし、立ち止まって休もうかと想像するときもある。
〜中略〜
でも、このくねくね蛇行するフランスのコースでは、将来は関係ない。過去も消えた。目の前のトレイルと動きだけがあった。今だけがあった。そして今だけで充分だった。充分すぎるほどだった。これがすべてだ。僕は走った。走って、走って、さらに走った。
食べることも走ることも、ごくありふれたシンプルな活動だ。でも神聖な活動でもある。至福を求める巡礼者たちは、水を汲んで木を切る。どれもシンプルだ。でも気持ちを込めて気を配りながら行い、今このときを大事にして謙虚になって行えば、こうしたシンプルな活動が超越への道につながる。自分よりはるかに大きい何かへと続く道を照らしてくれる。
何が優先事項か、自分にとって大事なことは何か、今やっていることは本当に意味があることなのか、
そんな迷いでグルグルしている人の背中をぐっと押してくれる1冊です。
今回もいい本に出会えました。
Unlock the Potential.
「EAT&RUN」byスコット・ジュレク NHK出版